日本を代表する知性、養老孟司先生が『土偶を読む』に書評をお寄せ下さりました!

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じつは養老先生からお言葉を頂くのは特別な意味があります。というのも、ご存知の通り養老先生は東大医学部の解剖学教授を務められていましたが、今回私が土偶の研究をするにあたって非常に役立った経験がありまして、じつはそれが東大医学部での「人体解剖」だったからです。

 

東大には所定の単位を取得すると他学部の学生も人体解剖実習に参加できるという珍しい制度があります。当時宗教学科で学んでいた私は、この制度を利用して医学部で1ヶ月以上、メスを片手に毎日のように人体解剖に勤しみました。

 

このとき、人体の構造や形態をマクロに掴んでいくアプローチに魅了された私は、大学院は東京藝術大学の美術解剖学に進学しようと上野に願書を取りに行った記憶があります(結局は受験せずにフリーターになりましたが笑)。

そして、特別に入室を許可された東大医学部標本室には養老先生らが製作したプラスティネーション標本(生体の水分をシリコンなどに置換した標本)が置かれており、私はそこで実際にヒトの心臓などを手に取りながら、その機能的形態に驚嘆したものです。

 

美大時代の経験はもちろんですが、東大での人体解剖の体験が、縄文土偶を安易に神秘化・象徴化・観念化せず、まずはモノとして徹底的にそのフォルムを観察し、そこから仮説を発見するという今回の成果に繋がったように思います。

 

あれから20年近い歳月を経て、こうして再び養老先生とのご縁を賜われたこと、奇跡のように感じられます。養老先生、ありがとうございました。